就活ハラスメント対策インタビュー
~成蹊大学 キャリア教育担当~
CHECK!
成蹊大学 キャリア教育担当の就活ハラスメント対策インタビューを実施
就活ハラスメントに対し、成蹊大学のキャリア教育担当教員としてどのような対応を行っているのか、今後の取り組みやキャリア支援センターとの連携について、成蹊大学  全学教育講師 丸尾明美氏に伺いました。

※2024年1月 オンラインにて実施
メリット
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参加者

木村

就活ハラスメント検討会事務局

「就活ハラスメント対策のすすめ」執筆・編纂担当。

丸尾様

成蹊大学  全学教育講師
外資系企業の人事採用をされていた実務家でもあり、現在は成蹊大学の専任講師としてキャリア科目を担当。

小見出し

サンプル 太郎
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木村
本日はインタビューにご協力頂き有難う御座います。
早速ですが、大学のキャリア教員である丸尾先生が、就活ハラスメントに関心をもったきっかけや、その時の思いはどのようなものでしたか?
就活ハラスメントについては何となく以前から耳にしていました。しかし、本格的に関心を持ったきっかけは、2022年、就活ハラスメント検討会の学生アンケート調査に成蹊大学の学生が参加し、その結果を見せていただいたことです。私は20年ほど大学のキャリア教育に携わっていますが、自分が想像していた以上に就活ハラスメントが起こっているのだと知って驚きました。
丸尾
また、2023年の4月下旬、私の授業を履修していた学生が企業合同インターンシップ説明会に参加したところ、ある企業の担当者から「うちの会社のインターンシップに参加登録するまで帰さない」といった過剰な勧誘行為を受けていたことを知りました。この件は、学生から私に質問という形で相談が入り、それをキャリア支援センターに私から共有し、キャリア支援センターが説明会主催元に改善を申し入れましたが、就活ハラスメントについて学生に注意喚起が必要であると考えるようになりました。
丸尾
木村
丸尾先生は、授業内で就活ハラスメントのパンフレット*を配布されたそうですが、その時の学生の反応はいかがでしたか?

*「学生向けパンフレット」ダウンロードはこちら
既にインターンシップに参加した3年生対象の授業で、約80人に配布しました。具体的な行為内容等を説明すると、現時点で類似の行為を受けた学生はごく少数のようで、多くの学生は「ふーん・・・」といった印象で、ハラスメントそのものをあまりイメージできていない様子でした。
丸尾
木村
学生側のハラスメントへの関心や理解が浅いからこそ、実際に行為を受けた時に強く動揺するのでしょう。だからこそ、「就活ハラスメント」の言葉を知ってもらい、「困ったら大学に相談しよう」という啓発が大事ですね。
木村
成蹊大学では、丸尾先生を中心に他にもキャリア教育担当の先生方がおられると伺っていますが。
はい、キャリア教育科目の講師は自分を含め全部で7名いますので、まず、春休み中に講師勉強会で就活ハラスメントについて共有したいと思っています。そして、4月以降、今後就活やインターンシップに参加する2・3年生中心の授業クラスで、啓発パンフレットの配布を依頼する予定です。履修している学生は、就活に関わる学生の20~30%かと思います。
丸尾
木村
パンフレットの配布によって、相談の多くはキャリア支援センターが受けることになると思いますが、連携はどのようにされたのでしょうか。
学内ではキャリア支援・キャリア科目について話し合う「委員会」が設定されており、私もそのメンバーであるため定期的にミーティングをしています。また、キャリア科目の授業の中で、キャリア支援センターが実施する就活関連のイベントの告知等も行うなど、日ごろから私とキャリア支援センターとの連携はとれていると思います。
丸尾
キャリア支援センターでは先にも示した通り、すでに学生が就活する上で困ったことの相談を広く受けつけ、対応を行っていますので、今回、授業で啓発パンフレットの配布をキャリア支援センターの事務長に伝えました。
丸尾
木村
既に、成蹊大学では必要な対応をとっていますが、もし、大学が就活ハラスメント対策を行わない場合、成蹊大学の学生にどのようなリスクがあるとお考えですか?
成蹊大学の学生は、慎重な学生が多いと感じています。ですので、企業から他社の内定辞退などを強く迫られた時にも、自分の考えや感じ方が正しいのか迷い、適切な対応ができず泣き寝入りしてしまう学生が多く出てくるでしょう。また、そのような経験によって、学生が精神的なダメージを受ける、就活そのものに前向きに取り組めなくなるというような悪影響が放置されることが危惧されます。
丸尾
サンプル 太郎
ですが、大学が就活ハラスメント対策を行うと、企業からのネガティブな反応を心配する声もあります。丸尾先生は企業の人事採用の経験もお有りですので、そのあたりはどうお考えですか?
それは考えすぎではないかと思います。そもそも、企業側が就活ハラスメントをすれば、SNSなどでいつでも誰でも情報発信ができる現在、それは企業側にとって大きなダメージになります。人材を大切にする企業の経営者や人事採用の管理職なら、採用活動に関わる社員が就活ハラスメントをしないように充分に注意しているはずです。
丸尾
採用現場で就活ハラスメントが起こるケースとして、就活ハラスメントへの認識不足である一部の社員によるものが多いと思いますので、経営者や人事採用の管理職は、大学側から注意喚起を求められることで改善を図る機会にもなるかと思います。
丸尾
経営層・管理職が知らないところで一部の社員がハラスメントのような言動を行った場合、学生側は、それがたまたま一部の社員だけがそうであるという認識ではなく「その会社全体がハラスメント体質なのではないか」と解釈して黙って選考を辞退してしまうということもあり得ます。そのためにも、問題が起きた際には、大学から企業へのフィードバックはあった方が良いのではないでしょうか。
丸尾
私自身も、外資のBtoB企業で採用を行っていました。自社を選んでもらうために、企業や採用担当者の考えを押し付けないことは勿論のこと、学生の考えや判断を大事に対応してきました。そして、よく知らない自社を選んでもらうためには、同時進行で選考を受けている他社の良さも認めつつ、自社の良さを一人一人の学生に丁寧に説明し、自社で働いた場合のその学生の将来にとってのメリットを一緒に考え、伝えてきたと思います。
丸尾
木村
就活環境の向上や企業のリスクヘッジの上でも、大学の積極的な取組みは大切ですね。
最後に他大学へのメッセージをお願いします。
就活で学生がハラスメントに遭う可能性は、おそらく就活を支援する教員・職員が想像する以上に多いと思います。社会人経験がほぼ無く、且つ、コロナ禍で以前よりさらに対人コミュニケーションが苦手になっている学生の場合だと、適切な対応ができないばかりか、ハラスメントに遭ったことが就活でのトラウマとなり、その後の活動に悪影響となってしまうケースも決して少なくないと思います。
丸尾
そのようなことを防ぐために、学生に「就活ハラスメントとは何なのか」「どのように対処すべきなのか」を伝えることはとても大事なことだと思います。ぜひ、今後、多くの大学でそのような周知・徹底がされることを期待します。
丸尾
ただし、一部の学生は、周知内容を自由に解釈し、不快なことは全て就活ハラスメントと捉え、不用意にSNSなどへの書き込みをしてしまうことが懸念されますので、SNSなどへの書き込みはせず、大学に相談するメリットを丁寧に伝えていただくと良いかと思います。
丸尾
木村
丸尾先生、色々とお考えを聞かせていただき、ありがとうございました。
サンプル 太郎
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サンプル 太郎

お問合せ

名称 就活ハラスメント検討会
(座長 法政大学 廣川進教授)
担当 事務局 新谷、木村
mail
shukatsu-harassment-kentokai@oasis3.com
HP
https://shukatsu-harassment-kentokai.hp.peraichi.com/
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